ジャズヴォーカリストのための譜面販売

ジャズボーカル用の楽譜を販売しています。ジャズスタンダードに関する記事も書いています。

Spring can really hang you up the most

Spring can really hang you up the most

この曲、けっこう好きな人多いようです。

ネット上でも、対訳を書かれているブログ、たくさん見かけます。

季節は春ですごく華やいでるのに、私だけ恋にやぶれて最悪、、

みたいな歌ですね。しかも、けっこうねちねちと「ああいやだいやだ」

と言い続けています。最後の最後まで。

メロディがすごく素敵なので、あんまりこういう歌詞を連想させませんが。

エラ、サラ、カーメン等、大御所のみなさんもこぞって歌っています。

ややクラシックっぽく歌いあげているバージョンもいくつか耳にしますが、

でも、歌詞の内容からいうと、けして成熟した女性の歌ではないですよね。

ああ、もうなんで私だけ、、あーだこーだ、ぐちぐちぐち、、みたいなことは

大人の女性はしないはず。

という観点からみると、一般的には変化球と見なされている、

リッキーリージョーンズのバージョンなんか、

曲の雰囲気には逆に一番合ってるのではないか、

という気もします。

ちょっとすねちゃってる感じがかわいらしく見える、

というかなんというか、、

まあかなりおじさん目線かもしれませんが。

 

それと、どうでもいいですが、この曲、日本語のタイトルを決めて定番化させませんか(て誰に言ってるのか、、)。だってこういう長いタイトルの曲、人とやりとりするの、おっくうですよね。

私の周囲の状況を思い出してみても、大体みんな「スプリングキャン、、」

とか、「スプリングキャンリアリー、、みたいなやつ」てかんじで省略してます。

単純に「春はうんざり」でいかがでしょうか。

そういえば昔、中島みゆきが作って柏原芳恵が歌った「春なのに」という曲もありました。けっこう好きでした。

 

(この曲の楽譜も販売しています。B♭とA♭。ご希望があれば他でもOK)

 

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East of the sun(west of the moon)

ジャズスタンダード、East of the sun(west of the moon)は

ボーカリストにもインストのプレイヤーにもわりと好まれる曲のようです。

自分からはそれほど演奏しないが、

共演者にやりましょうと言われることはしばしばあります。

 

太陽の東、月の西の場所にステキなおうちを建てて

あなたと幸せな生活をしたい、

みたいな歌詞の内容です。

 

村上春樹の小説に「国境の南、太陽の西」というのがあって、

なんとなくこれとかぶってしまう印象がありますが、

これはこの曲じゃなくて国境の南「South of the border」

という別のスタンダードの方から来ています。

太陽の西、と続くので、ついEast of the sunの方を連想してしまいがちですが。

しかも、この小説にちなんで作られた、

同名のアルバム「国境の南、太陽の西」

というものが存在しますから、ほんとややこしいです。

ちなみにこちらはクロードウィリアムソントリオの演奏によるものです。

 

どうでもいいですが、僕はこの太陽の東、という意味が今一つよくわかりません。

太陽の東、という位置は、つまり太陽を西に見られる位置、ということになり、

これはつまり正午から夕方にかけての時間帯であればどこでもよいのではないか、

という気もするのですが。

 

というわけで、有名な演奏。

とびきりクールなEast of the sunをどうぞ。

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Detour Ahead

Detour Ahead。

ビルエバンスの演奏で有名な曲です。

もちろんボーカルでもいろんな方が歌っています。

この曲の歌詞は、恋を実際の道に例えているようですが、

なかなか意味がわかりにくく、いろいろ調べてみました。

タイトルDetour Aheadは本来の意味は「この先迂回路」の意味。

というか「迂回せよ」かな、、なんせ、そのまままっすぐは行けないよ、

という意味のようです。

恋の道を走っているんだけど、最初はなかなかスムーズで快適。

でもずっとそんなわけないでしょ、そのうち迂回せよ、の標識が待っている。

早めにUターンした方がいいよ。深入りは禁物。

つまり、恋の落とし穴に注意、みたいなことなのかな、、

自分で書いていてよくわかりませんが、たぶんそんなところではないかと、、

 

この曲知らない伴奏者が、

ボーカリストにいきなり譜面渡されて初見でやろうとすると、

最初の部分でちょっとびっくりするのではないでしょうか。

というのは、たぶん、いま一番普及しているスタンダードな譜面が

ビルエバンスがリハモしたちょっとえぐいバージョンのような気がするからです。

トニックのあと増4度セブン、7度セブンとかなりエッジの効いたコード、

しかもメロディのピッチはコードのテンションになっているので、

しっかり考えて弾かないとすごい不協和音を鳴らしてしまうはめに、、。

作曲者のハーブエリス(これまた意外ですが)自身の演奏を聴くと普通のダイアトニックのコードで弾いているのでまったく問題ないのですが。

これはある意味エバンスによるコードのdetourですね。

という訳でそのうちこの曲の楽譜もアップできたらいいな、とも思いますが、

どのコードを選ぶかは非常に悩ましいところです。

すなおなオリジナルのコードにして販売すると、

そのボーカリストが共演した方に、エバンスバージョンに直される可能性大。

そうなると、このサイトで販売してる楽譜って、間違いが多いのでは、

と思われてしまいそうなので、、

 

 

 

 

 

 

 

We are the world

この間、たまたまyoutubeを見ていたら、なぜか関連動画でWe are the worldのメイキングビデオ(有名なやつですね)を見つけて、久しぶりに見たら、なぜか訳もなく泣けてきてしまいました。

確か私が高校1年か2年だったと思いますが、地理の先生が「今日の授業はこれを見る」といって、みんなにこのビデオを見せてくれたことがありました。それがなんだか妙に感動的で何十年たった今でもそのときの強い印象が残っていて、それをたまたまこの間偶然目にした、という訳なのでした。

細部は忘れていた箇所もあったけど、大筋では覚えていて、シンディローパーがアクセサリーをじゃらじゃらさせてダメ出しをくらったところなど、はっきりと覚えていました。出演ミュージシャンもだいたい覚えていましたが、把握してなかった人も何人かいました。ポールサイモンやアルジャロウが歌っていたのわかっていませんでした。

この歌はみなさんもよくご承知のとおり、超一流ミュージシャンが次々とバトンタッチしてアフリカへのチャリティソングを歌っていくわけですが、多少の繰り返しはあるとはいえ、一人、ほんの数秒程度の短い受け持ちパートだけで、見事にそれぞれの個性を発揮している、というのがほんと驚きです。ほんの一瞬だけで、聴いている人に「あ、その人だ」とわからせる、というのは、普通ではなかなか考えられないことです。

個性ってなんだろう、とあらためて考えさせられてしまいました。

という訳で、今回はジャズスタンダードとは関係のない話になってしまいましたが、

なんとなく覚書のように書いてしまいました。あ、ちなみにこのチャリティプロジェクトは何年か前に再度行われ、そのときは大御所のトニーベネットが参加してたと思います。

ヴァースについて

ヴァース。スタンダード曲の本編の前に添えられるパートのことで、ルバートで語りのように歌われることが多いです。

実際には多くのスタンダードについているのですが、省略されることも多いです。

でも、曲によっては、すごく魅力的なヴァースがついていたりして、ほぼ歌われることが定番化しているものもあります。

また、歌詞の内容にこだわるボーカリストは、この曲はヴァースを歌わないと本編=コーラスの歌詞の意味がちゃんと通じない、という理由で歌う場合もあるようです。

歌い出しのところでさりげなく語りのように始まると、何かが始まる予感、みたいなかんじで、演出としてもすごくいいですね。(聴きながら歌詞の意味がわかったらよりいいんですが)

このヴァース、初心者の方から歌い方のことでよく質問されます。

ヴァースというよりも、テンポルバートで歌う歌い方、といった方が正確かもしれませんが。ポイントはいくつかありますが、やはりまず最初にするべきなのは、歌詞のセンテンスの始まり、切れ目を把握する、ということではないでしょうか。

それがわからないと、語るように、といってもそもそも語りようがないし、また伴奏の人とも呼吸を合わせることもできないと思います。(その場合、伴奏の人もその仕組みをわかっていなければどのみち合いませんが)

他にもいくつかありそうですが、とりあえずはこのへんで。

数ある有名なヴァースの中でもSomeone to watch over meは歌われる率がかなり高い方のような気がします。私の経験上でも、この歌をヴァースなしで歌う方はほとんどいなかったんじゃないかな、、

ちなみに、この曲のヴァース付楽譜ももちろん販売しています。356円です!

 

[http://]

クリスマスソング

今年もクリスマスの季節がやってきました。

ジャズミュージシャンの間では、12月に入るとクリスマスソングを歌うことを解禁する人が多いようです。

1年の中でこの時期だけに演奏される曲、ということで特にボーカリストの方は歌詞を忘れてないか、確認するのに余念がありません。

クリスマスソングの譜面もこのサイトにアップしたかったのですが、今年は間に合いませんでした。来年は前もってアップしておけるようにしたいと思います。

古い曲だったら著作権フリーのものも多いのかな、、

 

 

 

youtu.be

カウントの出し方2

以前、カウントの出し方、ということで記事を書きましたが、その続編です。

練習方法の一つとして、CDなどを聴きながら、それに合わせて手を動かして拍子をとる、というところまで書きました。

その手の動かし方を具体的に説明したいと思います。

まず、一拍ずつ、ワン、ツー、スリー、フォー、と数えていき、

それに合わせて手で円を書いていきますが、発声の瞬間、これが拍のアタマになるわけですが、動きを「シュッ」と加速させます。
大事な点は、円を書いている間がただの待ち時間にならないこと、動きが充実していることです。
これがなかなかイメージが難しいんですが、ムチを持って振り回す、というイメージがいいと思います。実際にムチを持ったことはないですが、おそらくあれはそれなりに重いもので、振り回すと遠心力で手が外側に引っ張られるかんじになるのではないか、と思います。それとあの「しなり」ですね。加速するときにそのしなった感じをイメージするとスイングする感じがつかみやすいのではないかと思います。

そういうふうに手を回しながら1拍1拍数える動作を実際にジャズの音源を流しながらそれに合わせてやってみてください。

慣れないうちは難しいかもしれませんが、こういう動作がスイングのイメージに近いので、慣れてくれば、むしろそういう動かし方じゃないとジャズの音楽にフィットしない、というふうになってくるはずです。