ジャズヴォーカリストのための譜面販売

ジャズボーカル用の楽譜を販売しています。ジャズスタンダードに関する記事も書いています。

スキャット

私は自宅でジャズピアノ教室を運営しておりますが、

ジャズボーカルをやってる方で、うちに来たい、という方がいらっしゃれば受け入れています。もちろん、レッスン内容はある程度限定されたものになる訳ですが。

で、スキャットのやり方などもレッスンしています。

スキャットのコツ。

なかなか一口では言えるものではありませんが、

まずはシラブルから。

シラブルとは、スキャットするときに使う言葉。

言葉??

言葉とは言えませんね。なんというのでしょうか。

とにかく、スキャットの時に発するシュビドゥバ~的な言葉です。

やっぱり言葉か、、

で、その言葉を使うときに、最低限頭に入れておかなくてはいけないのが、

オモテとウラの感覚。言い換えれば、ダウンビートとアップビートの感覚です。

この下って上がる、ジグザグなイメージなくしてはスキャットはできません。

というより、ジャズはできません。

まずはそこからスタートします。

また続きは次回。

カウントの出し方

当ブログの管理人は自宅でジャズピアノ教室を運営していますが、

最近はジャズボーカルをやっている人も、依頼があればレッスンしています。

初心者の方が持つ共通の悩み、というのがいくつかあって、それに対してアドバイスしたりしていますが、その中の一つにカウントが出せない、というのがあります。

 

自分が思っているとおりのテンポを、他のメンバーに伝える、というのは、慣れないとなかなか難しいものです。

あまり、テンポ=速さ、というものを意識しすぎないで、自分が歌いたい曲の雰囲気をそのままイメージする、というところから始めるのが大切かな、というふうに思います。そしてそのイメージに合わせて手を動かす、その結果、テンポも含めてそのイメージ全体がその場で共演するメンバーに伝わる、という流れが一番理想的なやり方のように思います。

ただ、そうは言っても、まず正確なイメージを持つ、ということが難しいし、それに合わせて手を動かす、ということも、いきなりできるものでもないかもしれません。

そういう流れをつかめるようになるには、まずCDなどを聴いて、それに合わせて手を動かす習慣をつけるといいと思います。

これに関してはもう少し具体的な説明が必要かもしれませんね。近いうちに続編を書こうと思います。

That's All

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ジャズスタンダードのThat's Allはジャズボーカリストに人気の曲ですね。

これ歌ってる方はかなり多いんじゃないでしょうか。

この曲はもともとはナットキングコールが歌ったのが最初だったのかな、、

歌詞の内容的には男性が歌った方がしっくりくるような感じです。

とはいえジャズボーカリストといえば圧倒的に女性の方が多いので、

私的にも圧倒的に女性ボーカルのイメージが強いですが。

さて、この曲のアレンジというか歌われ方ですが、

本来、出だしのメロディは8分音符でゆったりとしたスロースイングで歌われていたのですが、あるアレンジがきっかけで、譜割を倍にとってアップテンポで歌われることが多くなったようです。

そのアレンジとはサラボーンの「Crazy and Mixed up」というアルバムに収録されているものです。

サラボーンはそれより古い時代にスローでも歌っているのですが、

この新しい方では、まったく違う曲のように仕立てています。

どういう経緯でこのバージョンで歌うことになったのか、ちょっと知りたい気がしますね。

特に最近の若いボーカリストは、このアップテンポのバージョンしかしらない方も多いようですが、あれは「あとでアレンジされたものだ」という認識は持っておいた方がいいような気がしますね。

私の知人のボーカリストには、「あの曲はスローで歌うものだ。アップテンポのバージョンなんて認めない」と公言している人までいます。ある意味サラボーンにダメ出ししてます(笑)

という訳で、よければ、このサラの2バージョン、聴き比べてみてくださいませ。

 

Just Friends

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ジャズスタンダードの中には、ヴォーカルものとしてよく歌われるがインストではあまり演奏されない、という曲、そしてその逆、それとヴォーカルでもインストでもよく取り上げられる、という曲があります。(どっちにもあまり取り上げられない、というのも、まああるにはあるでしょう、、)

ジャストフレンズという曲はヴォーカル、インスト、どちらにもよく取り上げられる曲として有名かもしれません。

そしてこれもよくあることなのですが、インストでよく演奏される曲の定番化しているコード進行が、実はインスト用に改編されたものであったりします。

この曲、ジャストフレンズの場合、仮にキーをFとすると、インストでは11小節めがE-7♭5/A7となっていることが多いですが、オリジナルはトニックのFです。

インストの場合、どうしても「まずアドリブありき」的な考え方をしてしまい、Ⅱ-Ⅴ-Ⅰの進行があった方がアドリブしやすいので、そういう風に書き換えてしまいがちですが、場合によってはそのコードが非常に歌いにくいものになってしまったりします。

過去に、ヴォーカリストが持っていた譜面で、この曲のこの部分がもともと正しかったのに、(おそらく共演者の楽器の人に)インストバージョンに書き換えられてしまっているのを何度か見たことがあります。インストの人も悪気があったわけではないとは思いますが、インストで普通にやっているのはオリジナルとは違うんだ、という認識は持っておく必要がありそうです。

 

 

トニーベネットとラルフシャロン

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トニーベネットが好きです。

ハスキーというのか、ちょっといがらっぽい声の成分がすごく魅力的です。

スイング感も抜群で聴いてて心地いいです。

ジャズスタンダードのヴァースを調べようと思ってyoutubeをいろいろ見ていてわかりましたが、トニーベネットはヴァースから歌っている確率がかなり高いです。

トニーベネットでしか探せなかったヴァースもいくつかあったんじゃないかな。

そんな中で知ったプレイヤーがピアノのラルフシャロン

なんでもトニーベネットの音楽監督をしていたとか。

小気味よいバッキングがすばらしい。

バッキングだけ聴いていてもあきないくらいです。

ラルフシャロンのピアノトリオとトニーベネット、という編成のCDがあるようですが、現在入手は難しそうですね。こういうのはジャズアルバムのマニアックな蒐集家のおじさんが持っていそうです。どこかにいないかな、マニアのおじさん。

 

 

 

ヴォーカルキーのお話

譜面販売のサイトを立ち上げて気がついたことがいろいろあります。

その中でも「へー、なるほど、、」と思ったことの1つがキーのことです。

今までは漠然と、

女性キーと男性キーはだいたい4度か5度違う、とか

市販の譜面は基本的に男性キーで書かれている、とか、

女性キーは大体一番高い音をラかシに設定したあたり、とか

そんな程度の認識しかなかったのですが、

実際、いろんな女性ヴォーカリストの歌をyoutube等で聴きあさるうち、

とてもそんな単純なもんじゃないな、ということがわかりました。

曲によってはかなり似通ったキーで歌われることもあるけれど、

逆に、同じ曲でも人によってぜんぜんバラバラで、どれが標準くらいなのかさっぱりわからない、といったものもありました。

例えていうとThat's Allなんかがそうでした。

結局のところ、キーの設定というというのは

「どのキーで歌えるか」

の問題もありつつ、大事なのは

「どのキーで歌いたいか」

なんだろうな、ということです。

どの「キー」で歌いたいか、ということはつまり、

その歌い手の曲に対するイメージなんかとも関わってくると思います。

それが人によって違うので、キーの設定も変わってくる、

ということもあるかもしれませんね。

 

という訳で、少し触れたThat's Allの動画を一つ。

ビバリーケニーという方のバージョンです。

この歌を検索するうち初めて知りました。

どことなく影があってなんか好きです。

ちなみにキーはG♭、、、共演者は一瞬「えっ?」ってなるキーですね(笑)。

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