ジャズスタンダードの中には、ヴォーカルものとしてよく歌われるがインストではあまり演奏されない、という曲、そしてその逆、それとヴォーカルでもインストでもよく取り上げられる、という曲があります。(どっちにもあまり取り上げられない、というのも、まああるにはあるでしょう、、)
ジャストフレンズという曲はヴォーカル、インスト、どちらにもよく取り上げられる曲として有名かもしれません。
そしてこれもよくあることなのですが、インストでよく演奏される曲の定番化しているコード進行が、実はインスト用に改編されたものであったりします。
この曲、ジャストフレンズの場合、仮にキーをFとすると、インストでは11小節めがE-7♭5/A7となっていることが多いですが、オリジナルはトニックのFです。
インストの場合、どうしても「まずアドリブありき」的な考え方をしてしまい、Ⅱ-Ⅴ-Ⅰの進行があった方がアドリブしやすいので、そういう風に書き換えてしまいがちですが、場合によってはそのコードが非常に歌いにくいものになってしまったりします。
過去に、ヴォーカリストが持っていた譜面で、この曲のこの部分がもともと正しかったのに、(おそらく共演者の楽器の人に)インストバージョンに書き換えられてしまっているのを何度か見たことがあります。インストの人も悪気があったわけではないとは思いますが、インストで普通にやっているのはオリジナルとは違うんだ、という認識は持っておく必要がありそうです。